【2021年3月~】マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります【本格運用先送りへ】

2021年(令和3年)3月からマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります。
(現時点では3月上旬(3/4頃を想定)からプレ運用を行い、3月下旬から本格開始のようです。)

マイナンバーカードを健康保険証として、利用するメリット、利用申し込み、利用方法、会社の対応について、まとめてました。

 

《3/26追記》
厚生労働省は、マイナンバーカードの健康保険証としての利用について、2021年3月から予定していた本格的な運用を延期し、遅くとも10月までに始める方針を明らかにしました。健康保険組合などが、加入者の被保険者番号などを誤った方法でシステムに入力したため、他人の健康情報が表示されるリスクが生じていたことが分かったことが原因だという。

 

メリット

まず、メリットですが下記のようなものがあげられます。

①健康保険証としてずっと使える

②医療保険の資格確認がスピーディになる

③手続きなしで限度額以上の一時的な支払が不要になる

④マイナポータルで特定健診情報が見られる

⑤医療費控除が便利になる

それぞれの詳細ですが以下のようになります。

①就職、退職時に健康保険証が変わる場合や引越し時に国民健康保険証が変わる場合も保険証の切替えを待たずにマイナンバーカードで受診することができます。

②カードリーダーにかざせば、資格確認ができるため、医療機関や薬局で情報を入力する手間が省け、受付の時間が短くなったり、事務処理の効率化が期待されます。

③高額療養費制度(一定額以上の医療費が払い戻される制度)で立替払いしなくてもよいようにあらかじめ「健康保険限度額提供認定証」を交付してもらうことができましたがこれが不要となります。

④マイナポータルで、令和3年3月から自分の特定健診情報を、令和3年10月(予定)から自分の薬剤情報を確認できるようになります。

⑤マイナポータルを活用して、ご自身の医療費情報を確認できるようになり(令和3年10月予定)、令和3年分所得税の確定申告から、医療費控除の手続きで、マイナポータルを通じて自動入力が可能になります。

 

利用申し込み

利用する際は、マイナポータルで申し込みが必要です。
個人的には、本ブログに記載しましたが5分程度で出来ました。
下記に参考までに内閣府のYouTube動画を貼っておきます。

◆マイナンバーカードの健康保険証利用 申込方法(スマートフォンVer)
https://www.youtube.com/watch?v=OrxSYWiXBtY

 

利用方法

病院や診療所、薬局の受付で顔認証付きカードリーダーにかざし、顔をカメラに映し、顔認証します。
(例えば、車いすを利用されている方や幼児などはカメラに映すのが難しい場合は、暗証番号を入力することも可能です。)

顔認証付きカードリーダーは、国で無償提供を行い、システムの改修等には補助金を給付していますが現時点の普及率は、28.5%(2021年2月12日開催の第140回社会保険審議会医療保険部会資料)にとどまっています。(令和5年3月末までに概ね全ての医療機関等での導⼊を目指しているようです。)

よって、マイナンバーカードの健康保険証の利用手続きを行っていても、医療機関によっては、使用できない可能性があるため、当面、カードリーダーの設置を確認できていない場合は、健康保険証も持参する必要があります。

会社の対応

健康保険の資格取得、喪失の手続きに今のところ、変更はありません

新たに入社した従業員が利用申し込みの手続きを行っていたとしても、健康保険証は発行し、本人に渡す必要があります。また、在籍中の従業が利用申し込みの手続きを行ったとしても、健康保険証を回収する必要はありません。

今後、医療機関において、カードリーダーの普及率が上昇していけば、メリットの①でも記載しました利用申し込みを行っている従業員の「健康保険限度額提供認定証」を交付の必要がなくなることもあるでしょう。また、健康保険証が発行される前に医療機関で受診する必要がある場合は、資格取得届や被扶養者(異動)届とともに「健康保険被保険者資格証明交付申請書」を年金事務所に提出し、資格証明するケースがありましたが、こういった機会も減っていくでしょう。