KING OF TIME給与レビュー①【概要編】

 

勤怠管理システムKING OF TIMEの新サービスとして、KING OF TIME給与が2023年2月上旬にリリースされました。

早速、テスト的に使用してみましたので、使用方法、感想、注意点などをレビューしたいと思います。

 

KING OF TIME給与の全体像

最初にKING OF TIMEのサービスの全体像を見た方がわかりやすいと思いますので、マインドマップにまとめてみました。(機能が多いため、給与に関連しない項目はまとめて縦長にならないようにしています。)

 

 

KING OF TIMEのメイン機能は勤怠管理ですが給与機能が追加される前から人事労務、データ分析、セキュアログインという機能がありました。
ちなみに費用は、勤怠以外の他機能も含め、月額1人300円の従量課金(使用した人数のみ課金)です。

 

勤怠以外の機能を簡単に説明しますと

人事労務」は、従業員のデータベースを作成すること出来る機能です。「家族、マイナンバー、通勤、銀行、社会保険・労働保険、住民税」といった項目は年末調整も含めると給与計算に必要ですので、個人的には給与計算機能を前提にサービスを提供していたと思われます。

データ分析」は、時間外労働時間や36協定の締結基準での時間把握を行ったり、統計による同業種との比較などがグラフや表で可視化出来るサービスです。

セキュアログイン」は、Windowsのログオン/ログオフのログ管理、そのログをKING OF TIMEと連携して打刻ができるサービスです。

 

詳細につきましては、参考までに勤怠管理を含め、過去の記事のリンクを貼っておきます。


参考
【社労士おすすめ】勤怠管理システム KING OF TIME【便利な高機能7選】社会保険労務士事務所ファインネクサス

 

話を給与に戻しますと給与機能のみ使用すれば、給与計算が行なわれるわけではなく、マインドマップの緑色の部分を使用して給与計算が回ります。全体のおおまかな流れは下記のようになります。

〈KING OF TIMEで給与計算を行う流れ〉
①【人事労務機能】マスタ登録・削除・修正
②【勤怠管理機能】勤怠締め・勤怠集計
③【給与機能】給与計算
④【給与機能】帳票・データ出力
⑤【人事労務機能】明細書発行

よって、KING OF TIMEには、勤怠管理、人事労務、給与、データ分析、セキュアログインの5つの機能がありましたが給与計算を行うには、そのうちの

・勤怠管理
・人事労務
・給与

の3つの機能を使用することになります。

 

KING OF TIME給与を使用する際の注意点

この記事をお読みいただいている方は、

 

KING OF TIME給与って、どんな機能があるのかな?

自社で使えるかな?

 

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますので、細かい設定や計算方法は、次回以降にして、先に利用するにあたり、いくつか注意点を挙げておきます。

 

KING OF TIME給与の注意点

①使用アカウントは、admin全権管理者のみ
②利用時に申し込みが必要
③トライアル期間中は使用できない
④データ連携ができない時間帯がある
⑤勤怠データのインポートに対応していない

 

それぞれを説明いたします。

①KING OF TIMEのアカウントの権限は、admin全権管理者、全権管理者、一般管理者、従業員に分かれます。

従業員を一般管理者(役職者等承認可能な権限)にしたり、全権管理者(従業員マスタや勤怠を修正したり、データの登録、出力等が可能な権限)にしたりすることはできますが全体を管理することができるadmin全権管理者という権限は、1社1アカウントしか持てない仕様になっています。admin全権管理者は、労務の実務担当者や労務の権限をもっている人(例えば、総務課長など)、会社によっては、社長が持っているケースもあるかもしれませんが給与機能は、admin全権管理者しか使用できません

 

②勤怠管理以外の機能(人事労務、給与、データ分析、セキュアログイン)を使用する際は、ログイン後の右上HELP→お問い合わせのお申込みフォームから申し込みが必要です。また、申し込みすると5つの機能が使用可能となり、1つだけ申し込むことはできません。

申し込みが完了すると画面右上のヘルプの横のスイッチャー(9つの点アイコン)から各サービスへ遷移できます。
(都度パスワード等の入力は不要)

 

 

③KING OF TIMEの勤怠機能は、30日間のトライアル期間があり、トライアル期間終了後も使用する際に従量課金されます。ただし、給与機能については、トライアル期間中には使用することができません

 

④給与計算を行う際に人事労務や勤怠管理からデータの連携を行うわけですがデータ連携ができない時間帯があります。

具体的には、8:30~10:00と17:30~18:30の1日2時間30分です。

勤怠管理にアクセスや作業が多い時間帯なのかもしれませんがこれは痛いです。

 

⑤勤怠管理機能の「締めが確定」したデータを給与に連携して、計算が行われるので、他の給与計算ソフトを使用しているときのように勤怠データの出力→給与計算ソフトへの登録といった作業は不要です。
(API連携しているソフトもありますが)

ただし、勤怠データのインポートに対応していないということは、勤怠データの出力後に例えば、エクセルで計算を組み込み、データ加工後にKING OF TIME給与に登録という使い方ができません。勤怠のデータをそのまま給与計算することになります。

例えば、支給項目に計算が必要な場合は、勤怠管理機能の補助項目をうまく使ったり、給与機能の支給項目設定に工夫が必要になるかもしれません。

 

補足

以上、KING OF TIME給与の全体像と注意点について、解説しました。

今回はふれませんでしたが実は、KING OF TIME給与は、「適用日」という考え方を持っています。

人事労務で従業員マスタを登録する際にその都度「適用日」を登録していくので、マスタ情報の履歴管理が可能です。給与計算ソフトでこの機能がないものも多く、差別化できるポイントとなっています。担当者としては、非常に便利な機能となります。

次回、初期設定編で詳しく解説したいと思います。