【どのシステムがいいの?】年末調整のペーパーレス化

今回は使用するシステムについて考えていきます。

ちなみに国税庁で無償適用しているツールがありますが書類の回収状況を管理できませんし使い勝手が悪そうなので対象から外しています。

年末調整がペーパーレス化されていない会社では、クラウド労務システムが導入されていない前提とします。

まず年末調整がペーパーレス化機能のある労務システムは下記の点について、検討されるのがよいでしょう。

<ペーパーレス年末調整のためのシステム検討ポイント>
①現在の給与計算システムの関連性

②システム導入時およびランニング費用
③労務システムの導入範囲
④今後の自社システムの方向性

①現在の給与計算システムはオンプレミス型なので、これを機にクラウドシステムに移行しようとか、勤怠管理や労務管理も同じシステムにしようといった問題です。

例えば、現在、ジョブカンの勤怠管理を使用していて、給与計算は他システムで労務システムを使用していないようなケースでは、年末調整をシステム化する機会に給与計算と労務もジョブカンに乗り換えるといった方法もよいでしょう。

あと会計システムも付随しているシステムもありますが個人的には別システムでいいかなと思っています。連携するデータはAPIでなくてもCSVデータで接続すれば十分という考えです。そこはこのあとの④にも関わってくるところです。

 

②システムの導入自体は初期導入費がかからないケースが多いですが導入が自社で出来るか、といった問題です。自社に設定できる人がいない or 設定に費やす時間がないなどの場合は、費用はかかりますが外注するという手もあります。自社でやってみたがうまくいかず、そのあとやっぱり外注という会社を何度もみてきましたが片手間で導入するのは、結構厳しいですし、初めて行う作業ですし、今後行わない作業です。

ランニング費用は業務効率化出来れば、十分ペイ出来るでしょう。

具体的なシステムの話をしますとSmartHRは30人までなら、無料で使用できます。
年末調整だけでなく、入社時の必要な情報収集もスマホで出来ますし、社会保険の電子申請でペーパーレス化が図れます。
30人を超える有料の場合の費用は公表されていないので、ぼかしますがが月額で1人あたりラーメン1杯くらいの価格です。

また、今年は、HRMOS(ハーモス)が無料で年末調整機能をリリースする予定です。
(IEYASUは2021年11月には(株)ビズリーチの子会社化され、HRMOS勤怠 by IEYASUとなりました。)
ちなみにHRMOS勤怠は、人数にかかわりなく、無料で使える勤怠管理システムを提供しています。
年末調整機能は、勤怠機能で課金されていない場合、広告が表示されますが無料で使用することができます。
こうなるともはや導入しない理由を費用を言い訳にできなくなりますね。

オフィスステーションは、社会保険の電子申請の帳票数がSmartHRより多いなどのメリットがあります。

SmartHR、HRMOS、オフィスステーションは給与計算機能がないので、年末調整計算や源泉徴収票および給与支払報告書のデータ化機能(電子申告)がありません。

 

〈労務システムの年末調整機能まとめ〉

機能 ジョブカン マネーフォワード freee SmartHR オフィスステーション HRMOS
前工程 書類の回収、管理等
年末調整計算 税額計算
後工程 源泉徴収票や給与支払報告書のCSV作成(電子申告)

※オフィスステーションは、社労士用に給与計算機能がありますが事業会社がシステムを選定するといいう意図を考慮し、除外します。

 

その他の有料のサービスは、源泉徴収票や給与支払報告書のデータ化が可能など機能の範囲に違いがあり、単純に比較できませんがジョブカンなら、月額費用は1人あたり400円です。(安くする方法がありますがここでは割愛します。)
マネーフォワードとfreeeは少し料金体系が複雑なので、必要に応じてリンクから確認してみてください。
ただし、労務機能だけでなく、勤怠管理や給与計算が同じシステムで出来るというメリットがあるので、そこをどう考えるかです。

 

前回の記事に記載しました3つのフェーズ(前工程、年末調整計算、後工程)のどの範囲で導入するか、です。
大雑把に分けると前工程だけできるもの(SmartHR、HRMOS、オフィスステーション)と給与計算機能を含めて、全工程(前工程、年末調整計算、後工程)に分れます。全行程行うほうが当然、費用も高くなりますし、設定等に時間はかかりますが効果も大きいです。

 

④当然ですがシステム担当者がいれば、今後の方向性について、検討したり、会計システムやワークフローと連携させるとか、会社全体の広い視点で見ることも必要でしょう。

 

検討ポイントにあげていませんが各社、無料のお試し期間を設定しています。
機能が比較できる設定するまでがある程度、時間がかかってしまうので、候補を絞って、試してみるのもいいでしょう。

 

以上、検討される際に参考にして頂けるとうれしいです。