退職時の手続きとして、雇用保険の離職票(離職証明書)という業務が発生しますが今回は、クラウド労務管理システムのジョブカン労務HRとSmartHRの作成方法について、それぞれ見てみようと思います。
ジョブカン労務HR
ジョブカン労務HRは、ジョブカン勤怠管理、ジョブカン給与計算とセットで契約し、それぞれのマスタやデータを連携することができます。
ジョブカン労務HRの主な機能は、以下のようになります。
①従業員情報管理
②各種労務手続き
③年末調整
④マイナンバー管理・収集
⑤ストレスチェック機能
⑥人材管理機能
⑦書類作成・電子契約機能
②の各種労務手続きの中に「離職票」の作成機能があります。
退職時は、マイページやメールで従業員から「退職情報入力」を依頼することができます。
・最終出勤日(必須)
・退職日(必須)
・退職理由
・退職後の住所
・退職後の連絡用メールアドレス
・電話番号
・源泉徴収票の渡し方(メール or 郵送)
・住民税の徴収方法(転職先で特別徴収、普通徴収、一括徴収)
・離職票の希望
・退職後の保険加入の確認(任意継続被保険者への加入の希望の有無)
・健康保険証の返却日
・次の勤務先名称(任意)
・次の勤務先入社日(任意)
・備考
退職日、退職理由、離職票作成の有無だけでなく、退職後の住所、源泉徴収票の渡し方、住民税の徴収方法、任意継続被保険者への加入の希望などの確認もできて、便利です。
離職票(離職証明書)の作成は、自動入力される項目と入力が必要な項目にわかれます。
【自動入力される項目】
項目名(帳票の番号) | 表示条件 | |
被保険者期間算定対象期間(⑧欄) | ||
① | 離職日の翌日 | 入力した退職日の翌日 |
② | (A)一般被保険者等 | 入力した退職日の翌日の一ヶ月前の日~退職日(12ヶ月分) |
③ | 賃金支払基礎日数(⑨欄) | 被保険者期間算定対象期間の合計日数 |
④ | 賃金支払対象期間(⑩欄) | 入力した退職日の直近の給与の締め日支給日※1~退職日(12ヶ月分) |
⑤ | 基礎日数(⑪欄) | 賃金支払対象期間の合計日数 |
【入力が必要な項目】
賃金額は、ジョブカン給与計算との連携はされず、直接入力が必要です。
項目名(帳票の番号) | 項目説明 | |
賃金額(円)(⑫欄) | ||
① | A | ジョブカンでは月給者の賃金 |
② | B | ジョブカンでは日給者の賃金 |
③ | 計 | A+Bの合計金額(自動計算) |
④ | 備考(⑬欄) | 入力した退職日の直近の給与の締め日支給日~退職日(12ヶ月分) |
⑤ | 賃金に関する特記事項 | 該当の従業員にて特記事項がある場合の明記欄 |
直接入力の他、左下の「日数・賃金の一括登録」からCSVファイルに入力し、登録することもできます。
作成した離職票(離職証明書)は、電子証明書があれば、電子申請することができます。
SmartHR
SmartHRの機能を大きく分けると、下記の3つに分けることができます。
【主な機能】
①人事データベース(従業員データベース、申請・承認、組織図)
②労務管理(社会保険・雇用保険の電子申請、年末調整、マイナンバー管理、Web明細)
③人材マネジメント(分析レポート、従業員サーベイ、人事評価)
上記の機能(①②③)の中から目的にあわせて、料金プランを選ぶことができ、
【料金プラン】
・HRストラテジープラン・・・①②③
・人事・労務エッセンシャルプラン・・・①②
・人材マネジメントプラン・・・①③
今回の離職票(離職証明書)は、労務管理機能の中にあります。
また、¥0プランでも、使用することができます。
参考
永年無料?電子申請ができるクラウド人事労務管理システムとは?社会保険労務士事務所ファインネクサス
給与明細機能を使用している場合(データを登録している場合)は、金額を離職票(離職証明書)に反映することができます。
初期設定で各項目(手当など)ごとに雇用保険の対象か、対象外かなどを登録します。
右上の「給与明細から取得」で給与明細からデータを取り込み、「賃金A」、「賃金B」欄へ反映されます。
給与明細にデータを登録していないときなどは、エクセルのセルのように金額を入力することもできます。
さらに例えば、下記のようなCSVファイル等でデータがある場合には、ひと月ずつ入力せず、6か月分コピーして、SmartHRのセルを6か月分選択して、一気に貼り付け(ペースト)できます。
これは、データをエクスポート、インポートするより楽です。
SmartHRでも、電子証明書があれば、電子申請ができます。
ジョブカン労務HRとSmartHRの離職票(離職証明書)の作成方法について、比較してみましたが賃金の登録方法は、大きく違いがありました。
システム導入の参考になれば、幸いです。