コロナ特例月変の延長と新たな特例の追加②【Q&A】

コロナ特例月変の延長等につきましては、すでにお知らせしていますが日本年金機構からQ&Aが公表されました。以下、転載しますので、詳細をご確認ください。

標準報酬月額の特例改定の延長等に係るQ&A

【制度等について】

Q1 8月から12月までを急減月とした特例改定は、どのような要件に該当した方が対象になりますか。4月から7月までを急減月とした特例改定から変更はありますか。

A1 4月から7月までを急減月とした特例改定の対象と同様に、次のいずれにも該当する健康保険・厚生年金保険被保険者及び厚生年金保険70歳以上被用者が対象となります。(急減月または改定月が資格喪失した月に該当する方は対象に含まれません。)
① 事業主が新型コロナウイルス感染症の影響により休業させたことにより、報酬が著しく下がった月(急減月)が生じた方であること。
② 急減月に支払われた報酬の総額に該当する標準報酬月額が、既に設定されている標準報酬月額に比べて、2等級以上下がっている方(※)であること。
③ 本特例改定による改定を行うことについて、本人が書面で同意している方であること。
なお、通常の随時改定の場合とは異なり、急減月に固定的賃金(日給等の単価)の変動があったか否かは問いません。また、給与計算の基礎日数(17日以上)についても、事業主からの休業命令や自宅待機指示などがあり、その間、使用関係が継続していれば、賃金の支払状況にかかわらず、休業した日を報酬支払の基礎となった日数として取り扱って差し支えありません。
※ 2等級以上下がった方には、次の場合も含みます。
(8月を急減月とする場合)
・ 健康保険第50級または厚生年金保険第31級の標準報酬月額にある方の報酬月額(健康保険にあっては報酬月額が141万5,000円以上、厚生年金保険にあっては報酬月額が63万5,000円以上である場合に限る。)が降給したことにより、その算定月額が健康保険第49級または厚生年金保険第30級以下の標準報酬月額に該当することとなった場合。
・ 第2級の標準報酬月額にある方の報酬月額が降給したことにより、その算定月額が健康保険にあっては5万3,000円未満、厚生年金保険にあっては8万3,000円未満となった場合。
(9月から12月までを急減月とする場合)
・ 健康保険第50級または厚生年金保険第32級の標準報酬月額にある方の報酬月額(健康保険にあっては報酬月額が141万5,000円以上、厚生年金保険にあっては報酬月額が66万5,000円以上である場合に限る。)が降給したことにより、その算定月額が健康保険第49級または厚生年金保険第31級以下の標準報酬月額に該当することとなった場合。


Q2
「急減月」の考え方に変更はありますか。

A2 急減月の考え方に変更はなく、8月から12月までの間の1か月であって、休業により報酬が著しく下がった月として事業主が届け出た月を指します。


Q3
新型コロナウイルス感染症の影響により「休業があった者」が対象となっていますが、考え方に前回の特例改定から変更はありますか。

A3 「休業があった者」の考え方に変更はありません。
休業とは、労働者が事業所において、労働契約、就業規則、労働協約等で定められた所定労働日に労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、当該所定労働日の全1日にわたり労働することができない状態または当該所定労働日の労働時間内において1時間以上労働することができない状態をいいます。
このため、事業主からの休業命令や自宅待機指示などにより休業状態にあった方(1か月のうちに1時間でも休業のあった方)が、本特例改定における「休業があった者」となります。
また、日給や時間給の方が、事業主からの命令や指示等により、通常の勤務やシフトによる日数や時間を短縮し、短時間休業が行われることとなった場合も、本特例改定における「休業があった者」として差し支えありません。


Q4
「休業が回復した月」の考え方について変更はありますか。

A4 「休業が回復した月(※1及び※2)」の考え方に変更はありません。
特例改定の原因となった休業が生じた月と比べて、休業状態にある日数または1日当たりの休業時間の減少が生じるなど、休業状況に何らか改善が見られ、報酬支払の基礎となった日が17日以上となった場合が休業が回復した場合に当たり、休業が回復した月(報酬の支払の基礎となった日数が17日以上でなければ
なりません。)に受けた報酬の総額が、その方の標準報酬月額(本特例改定による改定後の標準報酬月額)に比べて2等級以上上がった場合(※3)に、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、届出を行うこととしています。
このため、例えば、休業があっても、実際に何らかの報酬が支払われ、その報酬の支払の基礎となる日数が17日以上あれば、休業が回復したものとして取り扱われますので、ご注意ください。
なお、特例改定においては、事業主からの休業命令や自宅待機指示などがあり、その間、使用関係が継続していれば、当該休業した日について支払われた報酬の有無にかかわらず、報酬支払の基礎となった日数に該当するものとして取り扱いますが、「休業が回復した月」の判断における報酬支払の基礎となった日数の計算においては、報酬支払がなかった日は含めない取扱いとします。
また、休業回復による届出を行うことが必要とされる月額変更届の取扱いは、来年の定時決定まで(令和3年8月の随時改定まで)の取扱いとなります。
※1 休業が回復した月とは、急減月の翌月以降の月を指します。
※2 休業が回復した月とは、報酬支払の基礎となった日が17日以上であることとしていますが、これは、休業状況が何らか改善していることを前提として、休業が回復した場合の改定を行う起算月となる基準を示したものであり、休業状況が何ら改善していない(特例改定の原因となった休業が生じた月と比べて、休業状態にある日数または時間が変わっていないまたは増加してい
る)月を休業が回復した月とするということを意味するものではありません。
※3 休業が回復した月に受けた報酬に該当する標準報酬月額が2等級以上上がった、という条件を最初に満たした場合のみが対象となります。


Q5
休業の状況に変わりはありませんが、その他の手当(住居手当等)の変動により標準報酬月額が2等級以上上がった場合、休業が回復した際の随時改定の対象になりますか。

A5 休業の状況に変わりがないのであれば、休業が回復した場合の随時改定の対象にはなりません。


Q6
休業状況から段階的に回復している場合、最初の休業が回復した場合の随時改定以降の随時改定は、通常の随時改定と同様の要件となりますか。

A6 休業状況から段階的に回復した場合、最初に休業が回復した場合の随時改定は、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、休業が回復した月の翌月から標準報酬月額が改定されます。なお、それ以降は、通常の随時改定と同様の取扱いとなります。


Q7
休業が回復した月に、基本給が昇給(または降給)した場合、休業が回復した場合の随時改定の他に、固定的賃金の変動による通常の随時改定の届出が必要になりますか。

A7 休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、8月から12月までを急減月とした特例改定後の標準報酬月額に比べて2等級以上上がった場合には、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、随時改定の届出が必要となり、休業が回復した月の翌月から標準報酬月額が改定されます。
また、休業が回復した月に、固定的賃金の変動があった場合(※)には、休業が回復した月(固定的賃金の変動があった月)から3か月間に支給された報酬の平均が、休業回復による随時改定後の標準報酬月額に比べて、2等級以上変動している場合には、通常の随時改定の届出が必要になります。
※ なお、一時帰休の状況が継続している間に固定的賃金が変動した場合は、一時帰休に伴う休業手当等が支払われなくなった月から起算して3か月の報酬を平均することによって、随時改定を行います。


Q8
8月から12月までを急減月とした特例改定により標準報酬月額の改定を行いました。その後、休業手当の給付割合の変更により、標準報酬月額を下げる随時改定を行いました。この場合、休業が回復した場合の随時改定の届出は必要でしょうか。必要な場合、直近の標準報酬月額と比較して2等級以上上がった場合が対象になりますか。

A8 8月から12月までを急減月とした特例改定による標準報酬月額の改定以降、さらに休業手当の給付割合変更により標準報酬月額が下がる通常の随時改定を行った場合でも、休業が回復した際の随時改定は行われることとなります。この場合、休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、通常の随時改定後の標準報酬月額と比べて、2等級以上上がった場合には、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、休業回復による随時改定の届出が必要になります。


Q9
8月から12月までを急減月とした特例改定後、令和3年8月まで休業状態が回復しなかった場合であって、令和3年4月から6月までの全ての月の支払の基礎となった日数が17日未満の場合、令和3年の定時決定は、いつ時点の報酬で決定されますか。

A9 令和3年4月から6月までのいずれの月も支払基礎日数が17日未満の場合は、定時決定以降に支給されると見込まれる報酬で決定する必要があることから、8月から12月までを急減月とした特例改定前(4月から7月までを急減月とした特例改定が行われている場合は、当該改定の前)の標準報酬月額により決定することとなります。


Q10
7月または8月に特例改定を行った後、休業が回復する前に、さらに8月から12月までを急減月とする特例改定に該当した場合、休業が回復した場合の随時改定は、どのように届出を行うことになりますか。

A10 休業回復前に、8月から12月までを急減月とした特例改定が行われた場合は、7月または8月の特例改定に対する休業回復による随時改定の届出は要しません。休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、8月から12月までを急減月とする特例改定後の標準報酬月額に比べて、2等級以上上
がった場合に、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、随時改定の届出が必要になり、休業が回復した月の翌月から標準報酬月額が改定されます。

【申請について】

Q11 8月から12月までを急減月とした特例改定について、届出期限はありますか。また、遡及して届出は行えますか。

A11 8月から12月までを急減月とした特例改定については、令和3年2月末日までを受付期間としており、それまでの間に、届出を行っていただければ、急減月の翌月の標準報酬月額を遡及して改定が可能です。
なお、令和3年2月末日が休日に当たることから、翌営業日である3月1日までに受け付けた届出が対象となります。


Q12
8月から12月までを急減月とした特例改定後の標準報酬月額は、いつまで有効ですか。

A12 8月から12月までを急減月とした特例改定後の標準報酬月額は、令和3年における定時決定の前月となる令和3年8月分保険料までが対象となります。
ただし、休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、特例改定後の標準報酬月額に比べて2等級以上上がった場合には、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、随時改定の届出により、休業が回復した月の翌月から改定されることとなります。


Q13
8月の給与で標準報酬月額が2等級以上下がったため、8月を急減月として9月の特例改定を行いました。その後、9月の給与で更に標準報酬月額が2等級以上下がった場合、改定月を10月に訂正することはできますか。

A13 特例改定による届出は、同一の被保険者について複数回行うことや、届出後に急減月の選択等を変更すること等はできません
このため、休業に伴う報酬の低下が段階的に生じた場合または生じる可能性がある場合は、どの月を改定月として届出を行うかについて、事業主と被保険者の間でよくご相談の上、ご本人の同意を得てください。


Q14
4月から7月までを急減月とした特例改定により、既に標準報酬月額の改定を行ったのですが、8月から12月までを急減月とした特定改定の届出はできますか。

A14 4月から7月までを急減月とした特例改定を行った方であっても、8月から12月までを急減月とした特例改定の届出は可能です。


Q15
届出方法は、現在実施している4月から7月までを急減月とした特例改定と同様でしょうか。

A15 8月から12月までを急減月とした特例改定の届出については、現在実施している特例改定の手続と同様に、以下により行ってください。
特例改定用の届書により提出してください。
② 届出の際には、申立書の添付が必要です。
③ 特例改定では、年金事務所の窓口でも受け付けますが、届書と申立書を管轄の年金事務所へ郵送により提出してください。また、e-Govからの電子申請(PDFまたはJPEG形式のファイルによる電子添付)も可能となっています。
※ 通常の月額変更届・算定基礎届と提出先が異なりますので、事務センターへ郵送しないようご注意ください

 

【様式・記入方法・添付書類】

Q16 4月から7月までを急減月とした特例改定の届書と申立書の様式を使用して届出できますか。

A16 届書及び申立書については、いずれも4月から7月までを急減月とした特例改定において使用する様式とは異なる様式を使用いただくことになります。
特に、届書については、「8~12月を急減月とする場合」、「8月報酬による定時決定の場合」及び「休業が回復した場合」で備考欄の記載が異なるため、それぞれの様式をお示ししています。
また、ご本人に記載いただく同意書(参考様式)についても、一部記載内容を変更しています。
いずれも、新たに日本年金機構ホームページからダウンロードの上、ご利用ください。


Q17
休業が回復した場合の随時改定は、どのような要件に該当する場合に届出が必要になりますか。

A17 休業が回復した場合の随時改定は、休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、8月から12月までを急減月とした特例改定後の標準報酬月額に比べて2等級以上上がった場合に、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、届出が必要になります。
この場合、休業が回復した月の翌月から標準報酬月額が改定されることとなります。


Q18
休業が回復したことによる随時改定の届出を行うことになりますが、その場合、通常の月額変更届の様式で届出できますか。また、休業が回復したことを確認できる書類の添付は必要でしょうか。

A18 休業が回復したことによる随時改定の届出にあたっては、通常の月額変更届の様式によらず、特例改定用の届書(休業が回復した場合)を使用いただくことになりますので、日本年金機構ホームページからダウンロードの上、ご利用ください。
また、届出にあたり、休業が回復したことを確認できる書類の添付は必要ありません

【令和2年定時決定】

Q19 4月または5月を急減月とした特例改定を行った場合で、8月の報酬の総額に基づく標準報酬月額による定時決定の特例を申請する場合、8月を急減月とした特例改定の際と同様の届書や申立書の様式を使用すればよいですか。

A19 8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例を届出いただく場合と、8月から12月までを急減月とした特例改定を届出いただく場合は、申立書は同じ様式となりますが、届書の様式が異なります。
いずれも、日本年金機構ホームページからダウンロードの上、ご利用ください。


Q20
4月または5月を急減月として特例改定を行った場合であって、定時決定による標準報酬月額と比較して、8月における報酬の総額に基づく標準報酬月額が2等級以上低いときは、必ず定時決定の特例の届出を行う必要がありますか。

A20 8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例は、ご本人が同意した上で届出いただくことになりますので、要件に該当する場合であっても、必ず届出を行っていただく必要はありません。


Q21
8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例により標準報酬月額の決定を行った場合に、9月以降、さらに休業による報酬の低下があった際には、当該月を急減月とした特例改定の届出ができますか。

A21 今般新たに設けた特例措置は、保険料の賦課や給付、給与事務の複雑化、不安定化等を防ぐため、同一の被保険者について複数回の特例措置を行うことはできない取扱いとしています。
8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例は、8月から12月までを急減月とした特例改定とともに、今般新たに設けた特例措置の一つであり、当該定時決定の特例を行った場合、それ以降に、特例改定の届出を行うことはできません。


Q22
4月を急減月とした特例改定に該当しましたが、6月に休業が回復し、6月から8月の報酬の平均が2等級以上上がったため、9月改定の随時改定を提出しました。この場合、8月における報酬の総額に基づく標準報酬月額が、9月改定の随時改定で決定した標準報酬月額と比べて2等級以上低い場合、8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例を行うことはできますか。

A22 6月に休業が回復し、9月改定の随時改定が行われる場合は、法律上、その年の定時決定は行わないことから、本事例の場合、定時決定の特例の要件には該当しないこととなりますので、届出を行うことはできません

 

◆標準報酬月額の特例改定の延長等に係るQ&A
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0930.files/QA.pdf