会社の大掃除は半年ごとにやらないといけない?

 

みなさんの会社では、年末に大掃除をされましたか?

もし、そうなら、そろそろ大掃除の準備をしなければなりません。

 

半年ごとに大掃除しなければなりません

「いや、大掃除は去年の年末にしたから、次は今年の年末でしょ?」

そう思われるかもしれませんが実は、労働安全衛生法規則に下記のように規定されています。

(清掃等の実施)
第619条 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 日常行う清掃のほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと

 

労働安全衛生法は、労働基準法から派生して制定された法律で第1条(目的)にあるように「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」法律です。

なんで?と思われるかもしれませんが、労働者が安全と健康を確保して快適な職場環境で労働するために必要ということです。

しかも他にこんな規定もあります。

(労働者の清潔保持義務)
第620条 労働者は、作業場の清潔に注意し、廃棄物を定められた場所以外の場所にすてないようにしなければならない。

 

例えば、うちの会社は、製造業じゃないから、「作業場」と「廃棄物」とかないし・・・
といった反論もあるでしょう。

労働基準法は、戦後の1947年に施行された古い法律で前身は1911年に制定された「工場法」です。労働者保護の意味合いもあったにもかかわらず、「労働」という言葉すら、入っていません。

労働基準法から派生して制定された労働安全衛生法は、いまだに製造業や坑内労働を前提とした規定が多いのも事実です。

 

掃除は職場をきれいにするだけのもの?

製造業では、3S(整理、整頓、清掃)という言葉を重視する会社は多いです。

私が以前勤めていた製造業のグループ会社は、3S+清潔と躾(しつけ)で5Sを掲げていました。

私は工場勤務ではなく、事務所でパソコンとにらめっとするような仕事でしたが定期的にグループ会社も含めたワーク(研修)をやっていました。そのワークでは、3S(5S)は、「(一言でいうと)職場をきれいにする」ことで「無駄をなくしたり、効率化を図り、事故をなくす」といったメリットがある一方で、「心や内面を磨く」という効果があるということを学んだ記憶があります。

確かにいざというときに散らかっていると探し物が見つからず、時間を無駄にし、非効率で最悪、事故につなががることがあります。

「無心」に整理、整頓、清掃することによって、ごみに「気づき」、しつけという「習慣化」によって、「心を磨く」という意味があることは、心に刺さりました。

 

違反すると罰則あり?

会社としては、結局、守らなかったら、どうなるの?というのが気になると思いますが違反により、

「6カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金」

となる可能性があります。

この罰則が適用されたという話は聞いたことがありませんがここでは、罰則がないとは言い切れません。
特に事故につながるようなケース等では、書類送検される例もありますので、念のため。

 

ご提案「定期的に大掃除してみませんか」

決まりがあり、罰則もあるから、「しょうがない」となるか、会社として、「意味のある行為」として、とらえるかは、それぞれですが定期的に大掃除してみるのは、いかがでしょうか。

6か月以内ごとに1回という規定ですが年に3回でも、隔月でも、毎月でも問題ありません。

1年に1回しかやらないと見方を変えれば、今度やるときは、1年後です。

また、大掃除は「12月にやるもの」と決まっているわけでもありません。

年末の12月は忙しいし、出勤日も少ないし、雑巾がけなどの水も冷たい(個人的にはこれがいやなんです)です。

例えば、4月に新入社員が入社する準備も兼ねて、3月と9月にしたり、ゴールデンウイーク前の4月と10月を組み合わせてみてもよいのではないでしょうか。

罰則のリスクはなくなり、仕事場はきれいになり、心もスッキリ!

やらない手はありません。

でも、なかなか誰も賛同してくれませんよね。

ということで、ひとりだけでも、定期的な大掃除をはじめてみませんか。

 

それでは、私も初めての6月の大掃除を午後からしてみます。