新型コロナウィルス感染症による雇用調整助成金の特例措置は、令和4年(2022年)1月以降、変更となりました。
中小企業、大企業ともに原則1日の上限額が1・2月は11,000円、3月は9,000円と段階的に縮減となります。
(4月以降については、未定となっています。)
ただし、業況特例と地域特例については、引き続き15,000円となっています。
業況特例とは、過去と比べて売上等が30%以上下がった場合(詳細は後述)で地域特例とは、緊急事態宣言等により、都道府県知事の要請等に応じて、休業等をした場合が該当します。
2022年1月以降に業況特例で申請する際の下記の3つの注意点を解説します。
①再度売上低下の申出書が必要
②申出書は最新の申出書を使用
③売上低下は3年前と比較可能
①再度売上低下の申出書が必要
令和3年12月末まで業況特例を利用している(業況特例の確認をすでに行った)事業主が判定基礎期間の初日が令和4年1月1日以降の休業等について申請を行う場合において、業況特例の対象となることについて、業況の再確認を行うことになりましたので、申出書と売上等の書類の再提出が必要になります。
例えば、給与締日が15日の会社で令和3年12月から引き続き業況特例の対象とする場合、令和4年1月1日以降の休業等の最初の判定基礎期間の初日は1/16ですから1/16から2/15の雇用調整助成金の申請をする際は、改めて売上等が低下した申出が必要となります。
具体的には、「雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書(業況特例)」(様式新特第4号(2))と売上簿、営業収入簿、会計システムの帳簿などの売上が確認できる書類を提出します。
②申出書は最新の申出書を使用
上記の申出書だけでなく、支給要件申立書も変更していますので、あらためて厚生労働省の雇用調整助成金(特例)の申請様式ダウンロードページから必要な様式の確認の上、書類作成しましょう。
③売上低下は3年前と比較可能
業況特例は、判定基礎期間の初日が令和3年12月31日までの休業等に関しては、下記のAとBを比較することになっていました。
A.判定基礎期間の初日が属する月から遡って3か月間の生産指標
B.Aの3ヶ月間の生産指標に対して、前年同期または前々年同期の生産指標
判定基礎期間の初日が令和4年1月1日以降の休業等に関しては、下記のAとBを比較することになりました。
A.判定基礎期間の初日が属する月から遡って3か月間の生産指標
B.Aの3ヶ月間の生産指標に対して、前年同期または前々年同期または3年前同期の生産指標
つまり、今まで比較対象が「前年同期」か「前々年同期」だったものが「3年前同期」も加わりました。
具体的には、AとBの①~③を比較(B÷A)し、1つでも70%以下になれば、該当することになります。
A.2021年11月、2021年12月、2022年1月の3か月
B.①2020年11月、2020年12月、2021年1月の3か月
②2019年11月、2019年12月、2020年1月の3か月
③2018年11月、2018年12月、2019年1月の3か月
以上、判定基礎期間の初日が令和4年1月以降の雇用調整助成金の業況特例として申請する際は、申出書を提出しなかったり、古い申出書で提出すると追加や再提出を求められるでしょう。
また、売上の比較は、前年や前々年で対象とならなくても、3年前のものとの比較も可能となっています。
申請の際は、今一度確認されることをお勧めします。
◆令和4年3月までの雇用調整助成金の特例措置等について
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000782480.pdf
◆雇用調整助成金FAQ (09)業況・地域特例
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000783737.pdf