【高年齢者雇用状況等報告】5歳きざみの年齢表をエクセルで簡単に作成する方法

 

毎年、この時期に高年齢者および障害者の雇用状況等を報告することが法律で義務付けられています。
対象事業所には、5月下旬頃に報告書が郵送されます。(報告は6/1~7/15まで

報告しない場合の罰則について、高年齢者雇用状況報告書については、ありません。
ただし、行政指導の対象となり、企業名を公表される可能性があります。
障害者雇用状況報告書については、報告の義務を怠ったり偽ったりした場合、30万以下の罰金が科せられます。

これらの報告書の期限が労働保険の年度更新(6/1~7/10)、算定基礎届(7/1~7/10)と時期が重なり、ちょっと滅入りますが・・・

今回は、下記の高年齢者雇用状況報告書の年齢を記載する欄をエクセルで効率的に作りましょう、というちょっとニッチなお話です。
具体的には、下記の表をつくるのに自力で数えると結構時間がかかります。
100人とか超えるとかなりつらいです。

ちょっと検索してみたんですがこの手の記事がなかったので、書いてみました。
(高年齢者雇用状況報告書と障害者雇用状況報告書の記事は無数にありましたがそもそもニーズがない?)

年齢の表以外の書き方等については、記入要領や厚生労働省の動画もありますので、そちらをご覧ください。

◆高年齢者雇用状況等報告書記入要領
https://www.mhlw.go.jp/content/000940479.pdf

◆高年齢者雇用状況等報告の記入方法について(厚生労働省のYouTube動画)
https://www.youtube.com/watch?v=HtcpO81mkfc&t=1097s

 

生年月日から年齢を算出

表の対象者は、「常用労働者」です。
報告書の記入要領から抜粋しますと

「常用労働者」とは、1年以上継続して雇用される者(見込みを含みます。)のうち、1週間の所定労働時間が20 時間以上の者をいいます(正社員の他、契約社員、パート労働者等も含みます。)。
(高年齢者雇用状況等報告書及び障害者雇用状況報告書 記入要領P12)

まず、人事や給与システムの人事マスタをダウンロードしましょう。

必要なマスタ項目は、下記となります。

・在籍の有無(or 退職年月日)
・性別
・生年月日
・雇用保険の加入の有無(or 雇用保険の資格取得年月日)

1週間の所定労働時間が20 時間以上なら、普通は雇用保険に加入してはずなので、これでよいでしょう。
(詳細な要件等はここでは割愛します。)

6/1現在の退職者、雇用保険の未加入者の行は削除します。

①DATEDIF関数を使って、年齢を算出します。

DATEDIF関数は、開始~終了の期間を算出する関数です。
ただし、エクセルのヘルプに「Excel では、Lotus 1-2-3 の古いブックをサポートするために、DATEDIF 関数が用意されています。」とあるようにMicrosoftの正式な関数?ではないのか、入力窓の横の「fx」(関数の挿入)→「すべて表示」にも表示されません。
よって、使用する際は、関数式を直接入力しなければなりません。

E1に「6/1」(6/1現在の報告のため)と入力、E2にDATEDIF関数を入力してみます。

=DATEDIF(開始日,終了日,期間)

開始日:生年月日
終了日:報告書に使用する日
期間(単位):年

=DATEDIF(D2,E1,”Y”)
(期間(単位)は、年(year)の場合は「y」を「” ”」で囲みます。)

E2に年齢(60歳)が表示されました。
下のセルにコピーしますがそのままコピーするとエラーになってしまいます。

E1(終了日)を固定したいので、絶対参照($E$1)にします。
(関数内のE1にカーソルを持ってきて、F4キーを押すと下記のように「$E$1」となります。)

コピペ用関数

=DATEDIF(D2,$E$1,”y”)

ただし、社会保険をやっていると意識しなければならない「年齢計算に関する法律」による年齢のカウント方法では、誕生日の前日に年をとります。

例えば、「4月2日」生まれの人は、「4月1日」に年をとるため、その学年で一番早い誕生日は「4月2日」です。

E1が「6/1」だと6/1生まれの人も年をとってしまうので、E1は「5/31」にします。

 

年齢から5歳刻みの年齢をまとめる

年齢から5歳刻みで年齢をまとめる際にINT関数を使用します。

INT関数は小数点以下の端数を切り捨てる関数です。

下記にように計算になります。

①年齢を5で割る
②端数を切り捨てる
③②に5を掛ける

具体的には、年齢 ÷ 5 × 5 となり、関数としては、

コピペ用関数

=INT(E2/5)*5

例えば、50歳から54歳がまとめられて「50歳」、55歳から59歳がまとめられて「55歳」になっています。

 

ピボットテーブルで表を作成

このまとまった年齢をピボットテーブルで集計します。

メニューの「挿入」>ピボットテーブル(一番左)>テーブルまたは範囲から を選択します。

別シートに表示して、下記のように設定します。

・列に「5歳刻みの年齢」

・行に「性別」

・値に「性別(個数)」

 

左の表と下記の記入する表を対比させて記入できます。

ピボットの総計が下記表の上段、ピボットの「2」は女性なので、下記表の下段(カッコ内)に転記します。

以上となります。

1年に一回の作業ですが一度作ってしまえば、来年も利用できます。

You Tube動画でも説明していますので、興味のある方はご覧ください。