ChatGPTには様々な使用方法があり、まだまだ試行錯誤していますがエクセルにはできない人事マスタデータの加工もできそうです。
人事労務SaaSのマスタデータの加工
例えば、勤怠管理システムのKING OF TIMEの従業員設定(新規登録)で下記のように氏名「姓」と「名」で分かれています。
インポートする場合は、下記のようなエクセルファイルをCSVに変換して登録します。
ただ実際に会社で管理しているデータは、下記のように氏名をあわせて管理しているようなケースはないでしょうか。(ちょっとめずらしい氏名も入れてみましたが。)
当然、エクセルでは、氏名を「姓」と「名」に分ける関数はないので、自力で作業するしかないのですが。
ChatGPTなら、数秒で分けてくれます。
表形式なので、エクセルに貼り付けできます。
ちなみに「湊林太郎」は、「湊(みなと)」「林太郎」、「左衛門三郎結月」は、「左衛門三郎(さえもんさぶろう)」「結月(ゆづき)」、「鰻平三郎」は、「鰻(うなぎ)」「平三郎」という回答を期待していましたがめずらしい名前ランキングのサイトを参考に作成したため、さすがに特殊過ぎたようです。
同様にマネーフォワード給与の従業員情報の登録は下記のように住所が「都道府県」「住所1」「住所1カナ」「住所2」「住所2カナ」と分かれています。
これもChatGPTならうまく分けてデータを作ってくれます。
しかもフリガナも振ってくれています。
あっているかどうか確認は必要ですが手作業の場合、コピペの間違い(うまく貼り付けがされていないなどのヒューマンエラー)も起こりえますがそれもありません。
データ数が10件くらいなら、手作業でもよいかもしれませんが数十件、数百件以上となるともう使うしかありません。
個人情報保護の観点から問題ないか
上記の例では、「氏名」、「住所」は、当然ながら個人情報となります。
ここまで、記事を書いてきて、うまく活用できそうだと思ったのですが個人情報保護の観点からみると使用はひかえた方がよさそうという見方があります。
海外では、イタリアのデータ保護当局(GPDP)がChatGPTの使用を一時的に禁止し、OpenAIに対して禁止解除に必要な措置を伝えています。
単純にChatGPTに個人情報を入力するという問題だけではないと思われますが欧州データ保護委員会(EDPB)もChatGPTが個人データの保護に関する法律を尊重していない点やユーザの年齢を確認していない点を問題視しているようです。
日本は個人情報の扱いとしては、ヨーロッパよりもゆるいと言われていますがここはChatGPTに個人情報を入力するのは、今の段階では、避けた方がよさそうです。
〈2023/6/1追記〉
OpenAI社から2023年4月に「AIを改良するためのデータとして使わないという設定」が可能となるという発表がありました。
具体的には、ログイン後、左下の設定(・・・のアイコン)からSetting>Data Control >Chat History&Training をONからOFF(緑色からグレー)にすれば、チャット履歴は保存されず、訓練データにも使用されないとのことです。
これは、有料プランだけでなく、無料プランも設定可能です。
ただし、仕事で個人情報などを扱う場合は、取扱いに充分、注意するのがよさそうです。
なお、参考までに2023年4月28日に総務省が各都道府県・指定都市の情報セキュリティ担当あてに「ChatGPT等の生成AIの業務利用に関する申合せ」という文書を発信しています。簡単にまとめますと原則、使用不可で機密情報を含まない場合でも要承認のようです。
◆ChatGPT 等の生成AI の業務利用について
https://www.soumu.go.jp/main_content/000879561.pdf